22. 海鼠釉花生け

【時代】 清朝後期頃
【寸法】 高:20.0㎝ 径:15.4㎝ 重量:1230ℊ  
【箱 】 時代箱
【来歴】 有りません
【状態】 良好

【説明】 海鼠釉は中国で始った釉薬の一種で、後に日本でも多くの窯で用いられるようになりました。
 中国における海鼠釉の原産地は広東省石湾窯と江蘇省鼎山窯で、いずれも汝州窯、均州窯の葱翠色、月白青の釉色系統を模倣しようとしている内に一種の釉調を発明したものである。本作は鼎山窯のタイプで、明代に欧子明が創業したと伝えられ、これを宣均釉という。鉄胎または赤胎の上に青藍、葱翠の釉が混融し雲斑紋が現れている。葛明祥の作品が特に有名である。
 本作も葛明祥造の銘がしっかりと有ります。葛明祥は清朝乾隆から嘉慶時代の人で、ここから親子三代が同じ葛明祥の銘を使っています。本作が何代であるかまでははっきり分かりません。
 また、鼎山窯は宜興の陶窯の一つで有ります。

【雑感】 海鼠釉、葛明祥造、はかなり数多く日本に伝来しており、近年の中国への還流ブームの中でかなり価値を上げた物の一つです。
 実際数が多く、そこまで高額な物ではないとなると、どうしても見る目が雑になります。それでも細かく見ると、海鼠にも上手や下手が有ります。
 本作は上手の海鼠釉です。海鼠が混ざり過ぎて、雲斑紋が多く出過ぎて白っぽく見える物が多いのですが、出来が良い物は混ざりが良く、青藍の中に赤や紫がにじんでいるのが良く分かります。また胎土も鉄胎でこれもポイントの一つです。
 私が扱った中では、釉調だけだと最も良い物と考えています。

※撮影は自然光のみで、加工は一切行っておりません。それでも実物とは若干色彩が異なるかも知れませんが、ご了承ください。

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