灰陶加彩 犬俑

【時代】 漢
【寸法】 高:13.8㎝ 全長×幅:17.0×6.7㎝ 重量:680ℊ 
【箱 】 合わせ箱
【来歴】 有りません
【状態】 スレ、欠け有り 修理無し

【価格】 88,000円

【説明】 漢代に最も日常的に使用されたのは灰色ないし灰黒色の肌をした無釉の土器、灰陶です。灰陶は既に龍山文化期(BC2000年頃)には誕生し、漢代においては大量生産を可能にしていました。厚葬の文化が有る漢代では、多くの明器が生産されています。灰陶は最も多く、白化粧した肌に顔料で彩色した明器も多く見つかっております。
 本作は明器の一つで、犬を模った俑です。薄っすらですが白化粧の残っている部分も有り、元々は加彩があったと考えられます。型を左右から張り合わせ、余った土を鋭くヘラで削ぎ落しているのが良く分かります。
 俑の中でも動物を模したものは、漢代の俑の中で最も精彩を放っている物です。
 本作も柴犬か秋田犬の様な姿で可愛らしく、そして美しい物です。

*この写真は自然光のみで撮影し、色味などの補正は一切行っておりません。


【雑感】 何度か犬の俑は扱った事が有ります。その際一人のお客様から興味深いお話を聞き、それから自分でも調べてみました。
 漢の時代、犬は猟犬、番犬、犠犬といった用途毎に改良が行われていたそうです。魏・晋を経て南北朝へと下ると出土した犬俑の多くが耳の垂れた犬へと姿を変え、シベリアや中東、中央アジアが原産の犬の特徴が見られるものへと多様な種類が増えました。しかしながら漢代は殆どの俑が耳がピンと立、尻尾を丸くしています。恐らく漢代までの物が、中国固有の種ではないかと思われます。
 更に興味深いのは、漢代の墳墓から出土した犬俑の70%ほどが、一墳墓に対し一体であったということ。更にはその殆どが犬の周りに鶏や豚などの家畜とセットで存在しているということ。
 ここからは私の推測ですが、恐らく犬俑の殆どが家畜の番犬として一緒に墓へ埋葬されたのでしょう。そして犬の殆どは、日本の柴犬か秋田犬のようなものであったのでしょう。

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