電脳20 青白磁百合口花瓶

【時代】 南宋
【寸法】 高:16.5㎝ 径:8.8㎝ 重量:740ℊ 
【箱 】 有ります
【来歴】 1994年 「花の器」久保惣美術館出品作品
【状態】 ホツ数か所 高台ホツ

【説明】 青白磁は通称「影青」とも呼ばれ、透明釉に薄っすらと青が入り、釉薬の掛かりが厚い部分が青く見える物です。時代は北宋時代に誕生し、窯は景徳鎮辺りです。近年は発掘調査が進み、湖田窯なんて名前も良く聞きます。北宋時代の物には名品が多く、特に青白磁の水注や梅瓶には大変素晴らしい物があります。
 本作は青白磁の花瓶です。これはかなり珍しい作品で、私も初めてみました。百合口のあたりには、青白磁特有の薄くて鋭い姿がありますが、百合口から下の部分は大胆で力強いつくりです。もはやガラス釉のように厚く厚く掛けられた釉薬が、透明感の高い青を発色していて綺麗です。久保惣の説明によると、これは造花を飾る花生けとして作られているそうです。そのためわざと厚く重い作りとなっていて、造花を挿すに相応しいつくりです。造花を供養に用いり始めたのは、六朝、唐辺りだそうです。

【雑感】 さすが中国です。いままでの自分の浅はかな青白磁に対する知識が吹っ飛ばされました。腰辺りの鉅歯文の大胆な作り、釉薬の重厚感。そして手取りの重さ。全てが私が思い描く青白磁のイメージの真逆にある物です。中国芸術の奥深さの一端に触れたような作品です。
 最初私は穴に心棒を入れて、燭台として使う物だろうと思っていました。久保惣の解説をよんで造花を飾る花瓶という物が有ることを知り驚きました。それでも燭台として楽しむのもアリでしょう。
 やはり、古美術は広大で深い世界だと思います。

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