電脳18 備前六角徳利

【説明】 備前焼は日本六古窯の一つで起源は古墳時代くらいまで遡ります。鎌倉や室町時代には既に日本でもかなり有名な窯になっていました。というのも備前焼の土は非常に優れ「備前の水は腐らない」といわれ、水がめなどに重宝したからです。
 本作は幕末期の備前の徳利です。幕末は備前にとってかなりの苦難の時代でした。磁器製品の発達に伴い、備前の水がめとしての地位は無くなり、桃山から江戸前期にかけて華やかであった茶の湯は影を潜め、備前としての需要が随分と減っていました。煎茶道具の急須や、色備前としての細工物に糧を見出していくしかないような時代でした。本作の徳利は、鞆の保命酒を詰めて販売するための注文品として作られました。鞆の保命酒は江戸末期には有名な特産品となり、全国へ出荷していました。また献上品などもあり、その際には岩谷焼の色絵徳利や、伊万里や三田青磁といった磁器製品を用いました。備前焼は安価で庶民に販売することを目的として、大量に作られました。備前の保命酒徳利で最も多い物が丸型で正面中央部を少しへこました、へそ徳利。次に四角形の角瓶です。六角形は手が込んでいる分比較的数が少ないです。また、本作は三面に竹と和歌を彫り込んで洒落た感じに仕上げてあります。和歌が読めればもっと面白いのでしょうが、不勉強な為に分かりません。

【雑感】 地元ということもあり、鞆徳利は度々福山市の業者オークションで見かけます。そのほとんどが備前焼の物です。それでもほとんどがへそ徳利か角で、異なる物は見かけません。相当な数が作られ、販売されていたことがわかります。
 鞆徳利の私の基準は、少し珍しい事と、あとは使える大きさであるか、という点です。もともとお酒を詰めて売った物であるので、酒器にはぴったりです。あとは二合から二合半の酒量で有ればと考えています。使って楽しめる骨董が、やはり楽しいですよね。

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